After Effectsで、車や飛行機などのオブジェクトを曲がった道に沿って移動させるアニメーションを作られたことはありますか?
位置のキーフレームだけなら簡単ですが、道路がカーブしている場合、車の向きまで合わせようとすると、カーブごとに回転を調整する必要があります。
そこで便利なのが、After Effectsの「自動方向」です。
自動方向を使えば、モーションパスの方向に合わせてレイヤーの向きを自動的に変更できます。
今回は、真上から見たS字道路を車が走っていくアニメーションを例に、自動方向の使い方を紹介します。
この記事の目次
自動方向でできる事
今回のチュートリアルで解説する作例です。曲がりくねった道路に車が自然に沿って走る様子が簡単に作成可能です。
- モーションパスに沿ってレイヤーの向きを自動で変更できる
- 車や飛行機など「進行方向を向いてほしい」素材に使える
- カーブの多いモーションでも回転を手動調整する必要がない
- 位置のアニメーションだけで自然な方向転換を作れる
自動方向で車を道路に沿わせて走らせる方法
まず、車のレイヤーをコンポジションに配置します。道路に沿って車を走らせるため、位置プロパティにキーフレームを設定します。今回はS字の道路なので、
スタート → 左カーブ → 右カーブ → ゴール
というように、道路に沿って複数の位置キーフレームを設定します。この時点では、車の向きは気にせず、まずは移動するルートだけを作ります。
※今回のチュートリアルで使用する素材はコチラからダウンロードできます。

位置のアニメーションができたら、プレビューしてみます。
車は道路に沿って移動しますが、車自体の向きは最初の方向を向いたままです。ここで回転プロパティを使って、
「このカーブでは30°」
「次のカーブでは−45°」
……と手動で調整していくこともできます。
しかし、道路が複雑になるほど回転キーフレームも増えてしまい、位置を変更するたびに回転まで調整する必要があります。
そこで、車のレイヤーを選択し、
[ レイヤー ] → [ トランスフォーム ] → [ 自動方向 ]
を選択。または [ Ctrl + Alt + O ] のショートカットを押します。
「自動方向」の設定画面が表示されたら、「パスに沿って方向を設定」を選択します。

これで、車が移動しているモーションパスの方向に合わせて、車の向きが自動的に変化します。
そのまま再生してみると、車が道路のカーブに合わせて向きを変えながら走っていきますが…回転の数値を変えていないとドリフト移動みたいな動きになってしまいます。
最後の調整として、車レイヤーの回転の数値を進行方向にあわせて「90.0°」にしてください。(キーは打つ必要ないです。)

これで、正確な動きとなりました。カーブごとに回転キーフレームを設定する必要がありません。
さらに道路のルートを変更した場合でも、モーションパスに合わせて車の向きも自動的に変化します。
自動方向は、車のような素材だけでなく、「進行方向を向いてほしいもの」に幅広く使えます。
例えば、
- 飛行機
- ロケット
- ミサイル
- 船
- 鳥
- 矢印
- 人やキャラクター
など。
「移動する方向に向きを合わせたい」という場合に、一度試してみると便利です。
自動方向の便利なところは、モーションパスと回転を別々に管理しなくていいことです。
例えば、
「やっぱりこのカーブをもっと大きくしたい」
「道路のルートを変更したい」
となった場合でも、位置のモーションパスを修正すれば、基本的に車の向きもそのパスに合わせて変化します。手動で回転キーフレームを設定している場合に比べて、修正作業がシンプルになります。
注意点・ハマりどころ
- 自動方向はモーションパスの進行方向に合わせてレイヤーを回転させる
- 素材の「正面」が進行方向と合っている必要がある
- 車の向きが90°ずれている場合などは、レイヤー自体の回転で調整する
- パスの形状によっては、意図しない方向を向く場合がある
- 複雑な動きを細かくコントロールしたい場合は、手動で回転を設定したほうがよい場合もある
※「自動方向」は回転アニメーションを作ってくれる機能というより、モーションパスに合わせてレイヤーの方向を自動設定する機能です。
おわりに
車を道路に沿って走らせるようなアニメーションでは、「移動」と「回転」の両方を調整する必要があるため、手動で作ると意外と手間がかかります。そんなときに便利なのが、After Effectsの「自動方向」です。
位置のモーションパスを作って、自動方向を設定するだけ。
「進行方向に合わせて向きを変えてほしい」
というアニメーションでは、かなり便利な機能です。
車や飛行機などを動かすときはもちろん、普段のモーション制作でも使えるので、ぜひ覚えておきたい機能のひとつです。
